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月2回の10円まつりで客を呼ぶ激安スーパーの集客術

LOW-PRICE MARKET / FIELD REPORT

月2回の10円まつりで客を呼ぶ激安スーパーの集客術

月2回の「10円まつり」で話題の激安スーパー。赤字に見える価格がなぜ成り立つのか、目玉商品と客単価の仕組みを読み解き、小売や飲食の集客に使える視点を解説します。

ニュースの概要

ウォーカープラスが、月に2回「10円まつり」を開く激安スーパーを紹介した。この日は特定の商品が10円という驚きの値段で並び、開店前から行列ができるほどの人気になるという。普段から安さを売りにする店が、さらに月2回の大型販促を定例化している点が目を引く。単発のセールではなく、決まった日に必ず開く「恒例行事」にしているため、客は予定を立てて来店できる。物価高が続く中、家計を守りたい人にとって見逃せない存在だ。一方で、10円という価格でどうやって店が成り立つのかという疑問も浮かぶ。本稿では、この仕組みを小売の収益構造から読み解く。

引用元: 月2回“10円まつり”を開催する激安スーパーを発見(ウォーカープラス)

分析・見解

10円は赤字ではなく、客を呼ぶための広告費

まず押さえたいのは、10円の商品そのものでもうけようとはしていない点だ。仕入れ値がたとえ30円でも、20円の持ち出しで数百人を集められるなら、チラシやテレビCMより安く済む場合がある。

10円の商品は、実質的に「広告費を商品の形で配っている」と考えると分かりやすい。折り込みチラシは、1枚あたり数円かかるうえ、読まれる保証もない。値引きなら、確実に店へ足を運んでもらえる。

月2回という頻度が、買い物の習慣をつくる

毎日安い店は、安さに慣れられてしまう。逆に年に数回のセールでは、客は忘れてしまう。月2回という間隔は、給料日前後や週末など、家計の動きに合わせやすい。

「次の10円の日まで待とう」と客が考えるようになると、買い物の予定そのものを店が握れる。これは雑誌の発売日に似ている。決まった日に来る理由を客に与えることで、来店の頻度が安定する。

客単価を上げる売り場の設計がカギになる

10円の商品だけ買って帰られては、店は損をする。そこで多くの店は、目玉商品を店の奥に置く。入口から奥まで歩く間に、他の商品が目に入るからだ。

また、10円の商品を「おひとり様1点まで」に限ると、一人あたりの損失が読める。目玉の横に、利益率の高い調味料や惣菜、飲料を並べる店もある。仮に客の7割が他に1,500円分買えば、目玉の赤字は十分に取り返せる計算になる。

物価高の今、安売りは「信頼」の勝負になる

食料品の値上がりが続くなか、客は価格にとても敏感だ。10円という分かりやすい数字は、「この店は庶民の味方だ」という印象を強く残す。

ただし、他の商品が割高だと、客はすぐに気づく。店の評判は、目玉商品だけでなく、日常の商品の値付けでも決まる。イベントの派手さと日々の価格の誠実さが両立して、はじめて人気は長続きする。

ビジネスへの影響

小売や飲食店が真似できる3つの工夫

同じ手法は、スーパー以外でも使える。たとえば飲食店なら、特定の日にワンコイン以下の一品を出して来店の理由をつくる方法がある。

大事なのは、損失の上限をあらかじめ決めておくことだ。1日の限定数、購入点数の制限、対象時間の設定を組み合わせると、赤字が膨らむのを防げる。月に2回なら、準備や人員の負担も重くなりすぎない。

効果を測るために見るべき数字

イベント当日の売上だけを見ても、成果は分からない。見るべきは、目玉以外の商品を含めた客単価と、翌週以降に再来店した客の割合だ。

レシートの集計やポイントカードのデータがあれば、初めて来た客がその後も通うかを追える。もしリピートが少ないなら、目玉だけを狙う客ばかりが集まっている可能性がある。その場合は、目玉の隣に試食や新商品を置くなど、売り場の見直しが必要になる。

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